
黒雲吐明月 霖雨報晴天 天変与人事 由来不偶然

藤間柳庵『霖雨天成録』 (藤間家と柳島湊関係資料)
偶然から世界を驚す新磁石の誕生 : 形は自由、マグネット界大革命 : 天覧を賜う光栄 : 奇想天外
孫文氏と意見一致すれば張作霖氏再び入京か : 然らざれば奉天に帰る : 段氏は帰京を勧告
武器問題を惹起すまで : 斯くして張作霖に渡る : 陸軍歩兵少尉 井上晴能手記 : 【奉天特電九日発】
惨事の責を負い飄然南米の天地で苦闘三年 : 成果を結んで晴れの帰朝 : 一家を挙げて再び渡航
大鉄橋の難工事 邦人の手で完成 : 比島に気を吐く快男子 : 天災も妨害も敢然乗り越えた永上翁 喜びと感嘆の渦!
晴天霹瀝の鮮米四次買上に俄然、米価奔騰す : 但し中小農に手持米無く徒に品掠れ傾向を助長
舞台はヨーロッパ天才偉人出現率物好きなしらべ : 断然気を吐く猶太人 : 四千余人の世界人の国籍 : 国別ではフランスが第一位
満支経済提携の足場察哈爾を描く : 成吉思汗由縁の秘境 : 素晴らしい「天産」包蔵 : "自治"の徳王懐柔、中央軍実力君臨 : 赤露に通ずる大幹線

鄙事(ひじ)に多能なりき少年の日は 立身して自(みずか)ら笑う却って身を壊(やぶ)るを 浴余閑坐して肌は全く浄(きよ)し 曾て是れ綿糸もて瘃(あかぎれ)を縫いし人 (以下小字) 諭吉は少小にして母に事えて家事を執り園に灌ぎ薪を採り凡百の力役為さざる所無し。冬の日に或は手足に皹瘃(あかぎれ)を生じ疼痛に堪えざるもの有らば則ち綿糸もて瘃裂の創口を縫いて灌ぐに熱油を以てす。創も亦輙(すなわ)ち癒ゆ。当時身体の屈強なること知る可し。今は則ち然らず。頃日浴後偶(たまた)ま感を記す。

黒雲吐明月 霖雨報晴天 天変与人事 由来不偶然
![白頭自(みずか)ら笑う苦辛の頻(しき)りなるを 方寸の紙中に写し得て真なり 五十年齢正に一を虧(か)く 今茲(ことし)尚お未だ非を識らざるの人 壬午[明治15年]初秋写真](http://iiif.lib.keio.ac.jp/iipsrv/FIB/tif/50.tif/full/256,/0/default.jpg)
白頭自(みずか)ら笑う苦辛の頻(しき)りなるを 方寸の紙中に写し得て真なり 五十年齢正に一を虧(か)く 今茲(ことし)尚お未だ非を識らざるの人 壬午[明治15年]初秋写真

少小にして初めて伊呂波を知り 姓名略(ほ)ぼ記して佗(ほか)を求めず 如今筆を弄す君笑うを休(や)めよ 却って覚ゆ天真爛熳の多きを 諭

言う是れ扶桑は海東に冠たりと 国光は須(すべか)らく旭光と同じかるべし 他山の石は取れども尽くる無し 惜しむ莫(なか)れ十分に玉を攻(おさ)むるの功を 時事新報

誰か道(い)う仏恩能く人を済(すく)うと 人間の仏を済うも亦前因あり 光明遍照す金円の徳 摂取したり観音堕落の身を 古銅仏を購う

白頭自笑苦辛頻 方寸紙中写得真 五十年齢正虧一 今茲尚未識非人 壬午初写真

誰道恩能済人 々間済仏亦前因 光明遍照金円徳 摂取観音堕落身 購古銅仏

四海真に知る徳必ず隣りあるを 自由の在る所の里は乃(すなわ)ち仁なり 聞くならく北米華旗の国には 夙(つと)に西より来りて帰化する人有りと
![福翁六十今四を加う 活動尚お能く手もて自(みずか)ら舂(うすづ)く 巨臼却って嗤(わら)う山に似て静かなるを 衰朽に堪えずして五たび容(かたち)を新たにす 丁酉[明治30年]春 第五の米臼を新調す](http://iiif.lib.keio.ac.jp/iipsrv/FIB/tif/52.tif/full/256,/0/default.jpg)
福翁六十今四を加う 活動尚お能く手もて自(みずか)ら舂(うすづ)く 巨臼却って嗤(わら)う山に似て静かなるを 衰朽に堪えずして五たび容(かたち)を新たにす 丁酉[明治30年]春 第五の米臼を新調す

聖世の民人何の思う所ぞ 新年の嘉例(かれい)、無非を祝す 瑞雲(ずいうん)万里、春、海の如く 帝徳吾に於て恰(あた)かも知らざるがごとし 癸未元旦 諭

少小初知伊呂波 姓名略記不求佗 如今弄筆君休笑 却覚天真爛熳多 諭

一面は真相、一面は空 人間万事邈(ばく)として窮り無し 多言話し去るも君笑うを休(や)めよ 亦是れ先生百戯の中

聖世民人何所思 新年嘉例祝無非 瑞雲万里春如海 帝徳於吾恰不知 癸未元旦 諭

吾は是れ十方世界の身 由来到る処 に物と相親しむ 人言聞き去りて皆善と称す 耳順何ぞ期せん六十の春 年六十戯れに賦す
![日出の東、日没の西 春風万里五雲斉(ひと)し 帝京の朝賀、人已(すで)に散ずるも 台北台南、鶏未だ啼(な)かず 丙申[明治29年]元旦](http://iiif.lib.keio.ac.jp/iipsrv/FIB/tif/77.tif/full/256,/0/default.jpg)
日出の東、日没の西 春風万里五雲斉(ひと)し 帝京の朝賀、人已(すで)に散ずるも 台北台南、鶏未だ啼(な)かず 丙申[明治29年]元旦

毫(ふで)を閣(お)き莞爾として吾が拙を笑う 夫子は自(みずか)ら醒むれども世の眠れるを奈(いかん)せん 数百千言の国権論 硝鉄一声の煙に如かず 国権論稿成る

言是扶桑冠海東 国光須与旭光同 他山之石取無尽 莫惜十分攻玉功 時事新報

Chinese-style Couplet in Seven-character Phrases

独立自尊新世紀を迎う 明治三十四年元旦 ※明治33年12月31日午後8時から慶應義塾では19世紀を送り、20世紀を迎える世紀送迎会が催された。この書はその席上で書かれたもの。

其の心を伯夷(はくい)にして其の行いを柳下恵(りゅうかけい)にせよ

一面真相一面空 人間万事邈無窮 多言話去君休笑 亦是先生百戯中

人生幾許(いくばく)ぞ漫(みだ)りに説くを休(や)めよ 二百五十は天寿の真なり 清雅八旬纔(わず)かに過ぎ去りて 姥姑山上正に春を催す 姑山老先生に贈り奉る 西人言える有り 人は生れて二十五歳にして体格を成す 其の数を十倍すれば則ち天寿なりと 諭吉

四海真知徳必隣 自由所在里乃仁 聞言北米華旗国 夙有西来帰化人

適々は豈に唯だ風月のみならんや 渺茫(びょうぼう)たる塵界も自ら天真なり 世情説くを休(や)めよ意の如くならずと 無意の人は乃(すなわ)ち如意の人なり
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Uploaded: 2021-07-21
