『パリの浮草稼業』:(24)栄えある勲爵士 この御仁、いわゆる高位聖職者づきの護衛官だった、もと大佐で、のちのモナコ王国皇太子づきの副官、これまでの奉職に対し、際立った政府要職につくという褒賞を、のどから手が出るほどほしがってる!・・・とはいえタバコ屋のおやじだろうと、道路清掃の監督の地位だろうと、なんなりと喜んで受けるだろうよ。そのうえ、てまえ勝手な勲爵士の名に恥じない勇猛果敢な男だっていうから、つまんないことにうるさく駄々をこねる満足を得るためなら、5歳児だろうがなんだろうが相手を選ばない。真っ向からじろじろ顔を見据えたりしたら、ほらほら、もうまちがいなく遺憾の意を表明しに来るぞ

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メタデータが似ているアイテム

『博物学講座』:(12)ワニザメ ここでは古代人にはタンタロスとして知られ、いまどきのドイツの中学校の理科の先生なんぞに言わせりゃ文無しの美食家だっていう、ワニザメの変種で我慢してもらわなけりゃいけない。この大食らいのクジラみたいな生き物は、食料品屋のあるとこには必ずといっていいほど、うようよしているのが見かけられる。歯はとんがっていて、長いこと使わないでいるため伸び放題、というのも、目ばっかりで物をむさぼり食らうからなんだ。これと思う獲物の前で日がな一日じいっと動かずにいるという不屈の努力を重ねたあかつきには、ときに首筋をちがえるという幸運に見舞われ、その日を終えることもあるという。欲望と希望の空費で自らを養っているので、目をみはるばかりに痩せ細っている。大海原を泳いでいるその種のほかの魚とはまったく異なり、この種のワニザメはいつも乾いたところにいる

『博物学講座』:(12)ワニザメ ここでは古代人にはタンタロスとして知られ、いまどきのドイツの中学校の理科の先生なんぞに言わせりゃ文無しの美食家だっていう、ワニザメの変種で我慢してもらわなけりゃいけない。この大食らいのクジラみたいな生き物は、食料品屋のあるとこには必ずといっていいほど、うようよしているのが見かけられる。歯はとんがっていて、長いこと使わないでいるため伸び放題、というのも、目ばっかりで物をむさぼり食らうからなんだ。これと思う獲物の前で日がな一日じいっと動かずにいるという不屈の努力を重ねたあかつきには、ときに首筋をちがえるという幸運に見舞われ、その日を終えることもあるという。欲望と希望の空費で自らを養っているので、目をみはるばかりに痩せ細っている。大海原を泳いでいるその種のほかの魚とはまったく異なり、この種のワニザメはいつも乾いたところにいる

『偏執狂』:(4)ギター愛好家 自作の詩を歌いながら出る/大きなあくびをものともせず/彼はロマンスを歌うだろう/世界の残滓について・・・

『偏執狂』:(4)ギター愛好家 自作の詩を歌いながら出る/大きなあくびをものともせず/彼はロマンスを歌うだろう/世界の残滓について・・・

『できごと』:(86)最終稿 こうした努力のかいもなきにしもあらずや、彼はようやっと目玉をぐるっと裏返し、永遠の忘却の懐へと持って生まれた体質のまんま、いかにも立憲体制派新聞的に眠り込んだのだった

『できごと』:(86)最終稿 こうした努力のかいもなきにしもあらずや、彼はようやっと目玉をぐるっと裏返し、永遠の忘却の懐へと持って生まれた体質のまんま、いかにも立憲体制派新聞的に眠り込んだのだった

『できごと』:(219)土台を掘ろうと考えているうち、自分の墓穴を掘っていたことに気づいて

『できごと』:(219)土台を掘ろうと考えているうち、自分の墓穴を掘っていたことに気づいて

『できごと』:(219)土台を掘ろうと考えているうち、自分の墓穴を掘っていたことに気づいて

『できごと』:(219)土台を掘ろうと考えているうち、自分の墓穴を掘っていたことに気づいて

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『フランス人大鑑』:(11)レストランの店主 この御仁、テーブルを拭っては腰掛けを並べ替え、だれかれとなくお辞儀して、ナプキンを手に重々しくあたりを歩き回る、彼こそはだれあろう、この殿堂の主。1万5千から5万ルーブルの収入があるんだって・・・かの有名な牛ヒレ肉の網焼ステーキ、シャトーブリアンは、いったいいくらなんだ

『フランス人大鑑』:(11)レストランの店主 この御仁、テーブルを拭っては腰掛けを並べ替え、だれかれとなくお辞儀して、ナプキンを手に重々しくあたりを歩き回る、彼こそはだれあろう、この殿堂の主。1万5千から5万ルーブルの収入があるんだって・・・かの有名な牛ヒレ肉の網焼ステーキ、シャトーブリアンは、いったいいくらなんだ

『できごと』:(145)ヨーロッパの新聞記者風情が畏れ多くも陛下の行政行為をあれこれ論評しやがったのを知ったスルーケ皇帝は、そのとんでもねえ野郎をふんづかまえにやって来て、煮えたぎったタールをどっぷり入れた釜ん中へぶち込んでやったとさ─それってのもこのへぼ文士にちょいとお灸を据えてやって、皇帝陛下にたてつく記事なんかもう決して書こうと思わないように土性骨を叩き直してやろうって親心からなんだからな(ハイチ公報) (『シャリヴァリ』による覚え書)「報道の偏りにくつわをかませるこの独創性に富んだやりかたは、古代の偏屈な守護地頭の精神修養なんかにもいいんじゃないかな」

『できごと』:(145)ヨーロッパの新聞記者風情が畏れ多くも陛下の行政行為をあれこれ論評しやがったのを知ったスルーケ皇帝は、そのとんでもねえ野郎をふんづかまえにやって来て、煮えたぎったタールをどっぷり入れた釜ん中へぶち込んでやったとさ─それってのもこのへぼ文士にちょいとお灸を据えてやって、皇帝陛下にたてつく記事なんかもう決して書こうと思わないように土性骨を叩き直してやろうって親心からなんだからな(ハイチ公報) (『シャリヴァリ』による覚え書)「報道の偏りにくつわをかませるこの独創性に富んだやりかたは、古代の偏屈な守護地頭の精神修養なんかにもいいんじゃないかな」

『パリの舟のり』:(14)海の男「もっとしっかり、銛をひっかけろよ・・・そうじゃないとつかまえられん!」「おまえのほうはそいつの足を水につけないようにな。大切なことだ!足の裏を濡らすと風邪をひかせちまうからな」

『パリの舟のり』:(14)海の男「もっとしっかり、銛をひっかけろよ・・・そうじゃないとつかまえられん!」「おまえのほうはそいつの足を水につけないようにな。大切なことだ!足の裏を濡らすと風邪をひかせちまうからな」

『偏執狂』:(3)学者 同じものにもいろいろな種類があるように学者もいろいろ。まず物事をよく知っている学者(これはもっとも珍しい部類にはいる)、次に何も知らないか、あるいは馬鹿げていて役に立たないこと、つまり何も知らないよりもっと悪いことを知っている学者。このように多種多様にわたる学者は、ただ学者というだけで深遠にして重要な人物と見なされる。学者はとても高い地位を得、世の中にもの申す。その言葉は、まことに内容のないものなのだ。学者は快楽に満ち、病からも逃れた日々を送る。ただし、名誉の勲章とアカデミーとに隷属しているという点を除いて

『偏執狂』:(3)学者 同じものにもいろいろな種類があるように学者もいろいろ。まず物事をよく知っている学者(これはもっとも珍しい部類にはいる)、次に何も知らないか、あるいは馬鹿げていて役に立たないこと、つまり何も知らないよりもっと悪いことを知っている学者。このように多種多様にわたる学者は、ただ学者というだけで深遠にして重要な人物と見なされる。学者はとても高い地位を得、世の中にもの申す。その言葉は、まことに内容のないものなのだ。学者は快楽に満ち、病からも逃れた日々を送る。ただし、名誉の勲章とアカデミーとに隷属しているという点を除いて

『偏執狂』:(3)学者 同じものにもいろいろな種類があるように学者もいろいろ。まず物事をよく知っている学者(これはもっとも珍しい部類にはいる)、次に何も知らないか、あるいは馬鹿げていて役に立たないこと、つまり何も知らないよりもっと悪いことを知っている学者。このように多種多様にわたる学者は、ただ学者というだけで深遠にして重要な人物と見なされる。学者はとても高い地位を得、世の中にもの申す。その言葉は、まことに内容のないものなのだ。学者は快楽に満ち、病からも逃れた日々を送る。ただし、名誉の勲章とアカデミーとに隷属しているという点を除いて

『偏執狂』:(3)学者 同じものにもいろいろな種類があるように学者もいろいろ。まず物事をよく知っている学者(これはもっとも珍しい部類にはいる)、次に何も知らないか、あるいは馬鹿げていて役に立たないこと、つまり何も知らないよりもっと悪いことを知っている学者。このように多種多様にわたる学者は、ただ学者というだけで深遠にして重要な人物と見なされる。学者はとても高い地位を得、世の中にもの申す。その言葉は、まことに内容のないものなのだ。学者は快楽に満ち、病からも逃れた日々を送る。ただし、名誉の勲章とアカデミーとに隷属しているという点を除いて

『当世代議士鑑』:(25)フェルディナン・フロコン ちょっと見て、あなたは多分この人物は少々コサック風のロシアの王族というように解釈されただろうが、それは昨日まで共和派の身分だった彼を深く悲しませることになるに違いない。フェルディナン・フロコンは数週間農務大臣を務め、彼が最初に行ったことのひとつは、少し前に完全に生えそろった彼の髭を開拓したことだった。彼はさらなるすばらしい意図を持っていたのだが、それらを実行にうつす時間がなかった。

『当世代議士鑑』:(25)フェルディナン・フロコン ちょっと見て、あなたは多分この人物は少々コサック風のロシアの王族というように解釈されただろうが、それは昨日まで共和派の身分だった彼を深く悲しませることになるに違いない。フェルディナン・フロコンは数週間農務大臣を務め、彼が最初に行ったことのひとつは、少し前に完全に生えそろった彼の髭を開拓したことだった。彼はさらなるすばらしい意図を持っていたのだが、それらを実行にうつす時間がなかった。

『当世代議士鑑』:(25)フェルディナン・フロコン ちょっと見て、あなたは多分この人物は少々コサック風のロシアの王族というように解釈されただろうが、それは昨日まで共和派の身分だった彼を深く悲しませることになるに違いない。フェルディナン・フロコンは数週間農務大臣を務め、彼が最初に行ったことのひとつは、少し前に完全に生えそろった彼の髭を開拓したことだった。彼はさらなるすばらしい意図を持っていたのだが、それらを実行にうつす時間がなかった。

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『当世代議士鑑』:(25)フェルディナン・フロコン ちょっと見て、あなたは多分この人物は少々コサック風のロシアの王族というように解釈されただろうが、それは昨日まで共和派の身分だった彼を深く悲しませることになるに違いない。フェルディナン・フロコンは数週間農務大臣を務め、彼が最初に行ったことのひとつは、少し前に完全に生えそろった彼の髭を開拓したことだった。彼はさらなるすばらしい意図を持っていたのだが、それらを実行にうつす時間がなかった。

『古代史』:(31)イカロスの墜落 お日さまが、息子の手羽先ジュージューと、あっちっち、こっちっち照焼きしてんのに/この飛び道具つくってくれたダメ親父、すっとぼけたじいサマ/ほざいてた、はてしなき青空のすべり台から、すってんころりん落っこちてくる息子みて/あーりゃりゃ、こーりゃりゃ、てんでなっとらーん(辻馬車ぐらいしか乗んない詩人)

『古代史』:(31)イカロスの墜落 お日さまが、息子の手羽先ジュージューと、あっちっち、こっちっち照焼きしてんのに/この飛び道具つくってくれたダメ親父、すっとぼけたじいサマ/ほざいてた、はてしなき青空のすべり台から、すってんころりん落っこちてくる息子みて/あーりゃりゃ、こーりゃりゃ、てんでなっとらーん(辻馬車ぐらいしか乗んない詩人)

『議会百面相』:(9)[上]議長も飽き飽きする長談義[下]偉大なるバロ様が閣僚の長たる首相だったちょうどそのとき、若きエスタンスランがやりたくてうずうずしていたいたずらは、偉大なるバロ様がもう太陽じゃなくて、ほうき星によく似ているというやつだった

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『議会百面相』:(9)[上]議長も飽き飽きする長談義[下]偉大なるバロ様が閣僚の長たる首相だったちょうどそのとき、若きエスタンスランがやりたくてうずうずしていたいたずらは、偉大なるバロ様がもう太陽じゃなくて、ほうき星によく似ているというやつだった

『議会百面相』:(9)[上]議長も飽き飽きする長談義[下]偉大なるバロ様が閣僚の長たる首相だったちょうどそのとき、若きエスタンスランがやりたくてうずうずしていたいたずらは、偉大なるバロ様がもう太陽じゃなくて、ほうき星によく似ているというやつだった

『パリの浮草稼業』:(22)古着屋「古着ー!、古着・・・ほーれ帽子から靴まで、なんでもござれの古着屋でござーい!」これでもこの商売は謝肉祭の頃んなる、てえと、法学校や医学校のあたりじゃひっぱりだこんなるんだぜ。なんでかっていやあ、そりゃあ学生さんが喜び勇んでありったけの着物を売っ払おうとすっからよ、そんでもって、いまはやりの港人足みてえなボロ服手に入れて、花嫁さんめっけて、しけたシャンパンちびちびやりながら、のべつまくなしにお喋りがしてえとよ!

『パリの浮草稼業』:(22)古着屋「古着ー!、古着・・・ほーれ帽子から靴まで、なんでもござれの古着屋でござーい!」これでもこの商売は謝肉祭の頃んなる、てえと、法学校や医学校のあたりじゃひっぱりだこんなるんだぜ。なんでかっていやあ、そりゃあ学生さんが喜び勇んでありったけの着物を売っ払おうとすっからよ、そんでもって、いまはやりの港人足みてえなボロ服手に入れて、花嫁さんめっけて、しけたシャンパンちびちびやりながら、のべつまくなしにお喋りがしてえとよ!

『改革宴会派』:(1)国民軍警備兵リフォラールは、6月の5日間もの間、家を開けるなんてことはついぞなかったので、最後の瞬間に機会をとらえて自分自身をさらけ出したいという切なる願いに逆らえなかった。そして妻子の涙にもかかわらず、彼は銃を手に地方の改革宴会へと馳せ参じたのだった

『改革宴会派』:(1)国民軍警備兵リフォラールは、6月の5日間もの間、家を開けるなんてことはついぞなかったので、最後の瞬間に機会をとらえて自分自身をさらけ出したいという切なる願いに逆らえなかった。そして妻子の涙にもかかわらず、彼は銃を手に地方の改革宴会へと馳せ参じたのだった

『改革宴会派』:(1)国民軍警備兵リフォラールは、6月の5日間もの間、家を開けるなんてことはついぞなかったので、最後の瞬間に機会をとらえて自分自身をさらけ出したいという切なる願いに逆らえなかった。そして妻子の涙にもかかわらず、彼は銃を手に地方の改革宴会へと馳せ参じたのだった

『改革宴会派』:(1)国民軍警備兵リフォラールは、6月の5日間もの間、家を開けるなんてことはついぞなかったので、最後の瞬間に機会をとらえて自分自身をさらけ出したいという切なる願いに逆らえなかった。そして妻子の涙にもかかわらず、彼は銃を手に地方の改革宴会へと馳せ参じたのだった

『中国を旅すれば』:(16)音楽のレッスン。独り立ちした中国男なら、休日の気晴らしに音楽の素養を深めるのに励むのが好きでなくっちゃ一人前とは言えない。喜び勇んでクラリネットやらアコーディオンやら、狩猟ホルンのレッスンを受けて、お隣の反対意見なんぞなんのその、これを一つの「成果」と呼んではばからない!

『中国を旅すれば』:(16)音楽のレッスン。独り立ちした中国男なら、休日の気晴らしに音楽の素養を深めるのに励むのが好きでなくっちゃ一人前とは言えない。喜び勇んでクラリネットやらアコーディオンやら、狩猟ホルンのレッスンを受けて、お隣の反対意見なんぞなんのその、これを一つの「成果」と呼んではばからない!

『できごと』:(145)こわがらせようったって、だめだめ・・・そんなんじゃ、きっとスズメだってこわがらないよ!・・・

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新たなる聖アントニウスの誘惑 ちょうどまさにこんなときに、ヴェロンという名の偉大なる巨漢の罪人が、神の恩寵にふれたと思い込んだのだった。新聞稼業は神父生活みたいなもんだった、と顧みて彼は隠者になり、モンマルトルの険しい山また山の懐にある荒れ地へと引きこもった。そこで彼は昼夜を問わずお祈り三昧をつづけて、悔悛のしるしに『コンスティテューショネル』の定期購読者名簿を再読しつづけるという苦行をみずからに課したのだった─食べ物といえばルニョーの練り薬だけで、それもヴェロンはごくたまに、ほんのちょっぴり口にしただけだった。─悪魔は、このいかにもいい子ぶった、思いもよらない宗旨変えにいらいらして、聖ヴェロンを誘惑して屈服させるのに手を変え品を変えしてみたのだが、われらが気高き修道士は、このところ自分にとってずいぶんと魅力的に映っていたいろんなものに、あっぱれ抗う術を心得ていたのだった。みずからヴェロン誘惑に乗り出し『コンスティテューショネル』となってやってきた大魔王サタンは、パリへ戻る道すがら怒り狂っていたらしい。─モンマルトルの隠者は爾来もっとも偉大なる聖人に列せられ、パリジャンの報道関係者の誉れとなって、とくに鼻風邪をひいた不運な人々の嘆願を受けている

新たなる聖アントニウスの誘惑 ちょうどまさにこんなときに、ヴェロンという名の偉大なる巨漢の罪人が、神の恩寵にふれたと思い込んだのだった。新聞稼業は神父生活みたいなもんだった、と顧みて彼は隠者になり、モンマルトルの険しい山また山の懐にある荒れ地へと引きこもった。そこで彼は昼夜を問わずお祈り三昧をつづけて、悔悛のしるしに『コンスティテューショネル』の定期購読者名簿を再読しつづけるという苦行をみずからに課したのだった─食べ物といえばルニョーの練り薬だけで、それもヴェロンはごくたまに、ほんのちょっぴり口にしただけだった。─悪魔は、このいかにもいい子ぶった、思いもよらない宗旨変えにいらいらして、聖ヴェロンを誘惑して屈服させるのに手を変え品を変えしてみたのだが、われらが気高き修道士は、このところ自分にとってずいぶんと魅力的に映っていたいろんなものに、あっぱれ抗う術を心得ていたのだった。みずからヴェロン誘惑に乗り出し『コンスティテューショネル』となってやってきた大魔王サタンは、パリへ戻る道すがら怒り狂っていたらしい。─モンマルトルの隠者は爾来もっとも偉大なる聖人に列せられ、パリジャンの報道関係者の誉れとなって、とくに鼻風邪をひいた不運な人々の嘆願を受けている

『感情と情熱』:(4)この男、飲み屋を出るまでになけなしの20フランを使い果たしてしまい、ロートシルド銀行のことを考えたり、サン=クルーの魚網に思いをはせたりする。布団を売ることまで考えて・・・ありとあらゆることを考え抜き、もちろん・・・もう博打をやめること以外は全部、考えつくした

『感情と情熱』:(4)この男、飲み屋を出るまでになけなしの20フランを使い果たしてしまい、ロートシルド銀行のことを考えたり、サン=クルーの魚網に思いをはせたりする。布団を売ることまで考えて・・・ありとあらゆることを考え抜き、もちろん・・・もう博打をやめること以外は全部、考えつくした

登録日: 2023-01-17