
『魚の養殖』:(6)「私の2匹のマスが見えるかい?」「いいや・・・あんまりよく見えないよ」「そこ・・・左側に・・・私のサケのすぐとなりにいるだろう」「おかしいなぁ・・・サケすらも見えやしない・・・こんなに見えないのは、きっとこの望遠鏡の性能がわるいからだろうよ」

『平和会議みやげ話』:(1)3つの論点を持つ講演の中で、ヴィクトル・ユゴーは軍事的栄華の空しさを論証し、月桂冠はもっとずっと見映えのするバラの花冠に置き換えられるという例まで挙げながら実践している!このことにはまた、彼の額に目新しい効果を付与するというおまけもついているようだ

『できごと』:(24)「なにっ!・・・ロシア人がプルート川を横断したってことが株式市場で噂になっているなどと新聞に書いてあるだと!・・・」「いいかい!パノテさんよ・・・なんでもいっしょなのさ・・・だってよぉ、ロシア人が敵になったからって、おまえさんがなにもひげそりをやめることはなかろうよ」

『当世慈善家鑑』:(5)「奥さま・・・あの貧しいポーランド人たちへ寄付をしていただいて舞踏会で踊ってくださったというだけでは、まだまだ十分とは申せません・・・さあ最後まで慈善家らしくまいりましょう・・・やつらめの幸せのためにどうぞ晩餐会のほうにもお出ましになってくださいまし!・・・」

『夏の歳時記』:(7)「プリュドムさん・・・溺れちゃうわぁ!・・・」「任せなさい!・・・マダム、いま参りますぞ・・・」「まぁ、あなた・・・、おぉ!ありがと・・・」「いやいや、マダム・・・、まったくの金づちゆえに、私はあなたの遺言をばうかがいに参るんです・・・あしからず!・・・」

『当世慈善家鑑』:(12)「じゃなにかい、大将、あんたは22歳でもう3人も殺してたってわけかい・・・そりゃまたどえらい根性だな、あんたをまっとうにしてやれなかった世の中のほうがはちがってるってもんだよ!・・・」「あー!まあねえ、だんな!・・・あっしに言わせりゃ、憲兵ってのがまったくひでえもんなんでさあ・・・あいつらさえいなけりゃ、こんなとこにくすぶってやしませんぜ!・・・」

『アルバム「日々のカリカチュア」』:タンジールにて「崇高なる陛下!・・・スペイン人どもがやってきます・・・陛下の威厳ある日傘を広げて、やつらに陛下のご威光を思い知らせてくれましょう!・・」「日傘のことで余を悩ますな、ベルブル・・・余が今欲しいのは日除けではなく弾丸除けの傘じゃ!・・・」

『アルバム「日々のカリカチュア」』:タンジールにて「崇高なる陛下!・・・スペイン人どもがやってきます・・・陛下の威厳ある日傘を広げて、やつらに陛下のご威光を思い知らせてくれましょう!・・」「日傘のことで余を悩ますな、ベルブル・・・余が今欲しいのは日除けではなく弾丸除けの傘じゃ!・・・」

偉大な詩人による旅の印象「フランクフルトでおもしろいものといえば、もうすぐなくなってしまうのではないかと懸念されるのだが、なんといってもそれは肉屋なのだ。こんなにものすごい生肉の山を見ることは、ほかでは不可能だろう。血まみれの肉屋のおやじたちとバラ色の肉屋のおかみたちが、花綱のような羊のもも肉の連なりの下で、優雅におしゃべりしている。2カ所で噴き上げている湧出し口とほとんど変わらぬ色をした真っ赤な流れが、湯気や血しぶきを上げながら道の真ん中をつっ走っていく!」(ヴィクトル・ユゴー『ライン川』第2巻、357頁)

『パリジャンのタイプ』:(30)「おやまあ!ボンベックの奥さん、いったいどうしたんです?」「それを言わないでくださいな、奥さん、ひどいんですよ!世の中こんな残酷になってくると、植物園の管理人でもしていたほうがましですよ。5階のベズュシェさんのことご存じでしょう。娘さんのことでね、そんなたいしたことじゃないんですけどね、娘さんのおなかが結構大きくなってきたもんですからね、水腫なんだってあっちこっちで言いふらしてるんですよ。私はね、ああそうですかっ!とだけ返事したんですけどね」「で、その娘は・・・」「もちろん、すぐに分かりますよ」

『夫婦善哉』:(30)不義密通の申し立て「裁判官のみなさま、私の依頼人はこの事実を確信しております。しかし、こうした個人的な確信というものは依頼人にとって充分なものではなく、この裁判で、この法廷全体と、私どもをとり巻く大勢の傍聴席のみなさま、・・・ひいてはフランス全土のみなみなさまにも、この確信をわかちあっていただきたいと存ずる次第なのであります。かようなわけで、この私が依頼人の意向に基づきまして、この任務を全うすることとあいなったわけでありますが、かくいう私も、このできごとのすべてを、いまやみなさまの目のまえに逐一、つまびらかに解き明かしたと固く信ずる次第なのであります。かくなるうえは、もはや私の依頼人の、いわゆるその・・・その、社会的立場というものが、専門的なご判決によって、確証されるのを待つばかりなのであります。ですから、まことに公明正大なる裁判官のみなさまは、この依頼人に最後に残されました、わずかな満足感までもとりあげてしまわれようなどとは、よもやなさいますまい。」

『当世代議士鑑 立法議会』:(17)ド・サン=プリエスト 説明文つき版画(あるいは手紙つきの版画)─ド・サン=プリエストは彼の郵便改革によってだけでなく、陽気な性格によっても名高い。郵便が4スーになったから、もはやド・サン=プリエストが従事すべき事はなくなった。そこで暇つぶしに、彼は少し前から青いメガネの改革をしようとしている─少なくとも彼の眼鏡のかけかたを見るとそう思われる。

『偏執狂』:(8)コーヒー愛好家 一杯のコーヒーはたやすく第二の天性になってしまう。この愛好家のように晩飯を食べる金がないときでさえも、消化を助けるためだといって、好きなコーヒーを飲むのを鉄則としているおかたがたくさんいる。シコレがなければ人生の味がひどく苦いものになるのは当然だ

『偏執狂』:(8)コーヒー愛好家 一杯のコーヒーはたやすく第二の天性になってしまう。この愛好家のように晩飯を食べる金がないときでさえも、消化を助けるためだといって、好きなコーヒーを飲むのを鉄則としているおかたがたくさんいる。シコレがなければ人生の味がひどく苦いものになるのは当然だ

『パリのおのぼりさん』:(1)到着「えっ、もう部屋がないって!・・・」「あなたの帽子用の箱を置く場所さえありませんよ」「でも、相部屋ならどうかね?」「もう21人のイギリスの方たちがおりますが」「屋根裏部屋は?」「サヴォワの人たち11人を入れてしまいました」「地下室は?」「15人のポーランド人がすでに入っております」「ああ、やれやれ・・・ああ畜生・・・ちぇっ、なんてこった!では私たちは車よけの片隅で夜を明かすことになるのかい?」「そうなさるのが一番ですよ、そうすればなにか起こったとき、見回りの警官がすぐに助けてくれますからね。警察署のサン・マルタン室で寝るように連れていってくれますよ!・・・住所不定の人々と身分証明を持たないプードルたち専用の場所ですがね!・・・」

『中国を旅すれば』:(17)罰則規定 中国の立法者たちは被疑者全員が裁判官の前で召喚状に「自由に」答えるように定めてる、それで彼らは尋問する治安判事の前に、二人の警官に挟まれ手錠をされて連行されてくる、これじゃほんとはくしゃみをするくらいしかできっこないんだけどね。その上、この天子の国じゃ裁判はたちまち法廷に持ち込まれて即決されるもんで、自分の審理に立ち会うまで8カ月以上もかかるって警告されてた人間にとっちゃ、とうとう運命の日がやってきて、自分が2週間の禁固刑と宣告され、しかも帽子をかぶりなすったお役人さまが「この2週間ってのは、おまえがもうすでにがっちり締め切られた扉の後ろで過ごさなけりゃなんなかった8カ月とは、全然別のもんなんだ」って説明してくださるのを拝めるなんてこたぁめったにないんだって

『中国を旅すれば』:(5)中国の法律 中国の法廷弁護士は猛烈にがんばる、目も綾な、やけにたくさんの雄弁な身振りをして、一方、治安判事のほうは、被告側のしぐさに心をかき乱されたり自分の論点を見失ったりしないように、たいがいなにか手仕事に耽ってる。小刀で机に刻み目をつけてる者もいれば、捺印された書類に下手っぴぃな小っちゃい人物画を描いてたり、折り紙でニワトリをこしらえてたりする者もいる。他の人たちはもっといい奥の手を使ってて、目を閉じて深い瞑想へのめり込んでる、こうなると廷吏が「静粛に!」って力いっぱい喚いて、みんなをそこから引きずり出すのにひどく苦労するはめになる・・・てなわけで、中国の正義は目隠しした姿に描かれるんだって
登録日: 2023-01-17
