
娘を治療するセリアーニ医師を見つめる両親 コロラド州クレムリング 1948年

遠くの村へ往診に向かうセリアーニ医師 コロラド州クレムリング 1948年

トーマス・ミッチェル、足の壊疽のためセリアーニ医師によって手術を受ける。コロラド州クレムリング 1948年

牧師に老人の危篤状態を電話で伝えるセリアーニ、傍らで小声で話す女たち、コロラド州クレムリング 1948年

セリアーニ医師とリー・マリー・ウィートリー、2歳6ヶ月。馬に頭をけられて救急処置を受けた。コロラド州クレムリング 1948年

新たなる聖アントニウスの誘惑 ちょうどまさにこんなときに、ヴェロンという名の偉大なる巨漢の罪人が、神の恩寵にふれたと思い込んだのだった。新聞稼業は神父生活みたいなもんだった、と顧みて彼は隠者になり、モンマルトルの険しい山また山の懐にある荒れ地へと引きこもった。そこで彼は昼夜を問わずお祈り三昧をつづけて、悔悛のしるしに『コンスティテューショネル』の定期購読者名簿を再読しつづけるという苦行をみずからに課したのだった─食べ物といえばルニョーの練り薬だけで、それもヴェロンはごくたまに、ほんのちょっぴり口にしただけだった。─悪魔は、このいかにもいい子ぶった、思いもよらない宗旨変えにいらいらして、聖ヴェロンを誘惑して屈服させるのに手を変え品を変えしてみたのだが、われらが気高き修道士は、このところ自分にとってずいぶんと魅力的に映っていたいろんなものに、あっぱれ抗う術を心得ていたのだった。みずからヴェロン誘惑に乗り出し『コンスティテューショネル』となってやってきた大魔王サタンは、パリへ戻る道すがら怒り狂っていたらしい。─モンマルトルの隠者は爾来もっとも偉大なる聖人に列せられ、パリジャンの報道関係者の誉れとなって、とくに鼻風邪をひいた不運な人々の嘆願を受けている
最終更新日: 2021-04-10
登録日: 2022-03-17
