
『独り者の一日』:(5)朝11時 パリサンドゥル嬢にスミレの花束をあげたく思ったコクレおじさんは、そんな浪費をする自分をやましく感じている。だからせめて自分のハンカチを手ずから洗い清めて、こんな倹約で自分の良心の疼きを癒すのだ

『人騒がせな連中と小心者』:(1)「ああっ!神様どうしよう、やつらお隣りに火をつけたんだわ!・・・見ちゃだめだったら、テオドール、心臓に悪いわよ!・・・」「いやちがうよ・・・いい気なもんだ、あいつ、窓に三つも提灯なんかぶらさげてるから、こんなにぎらぎらしてんだ!・・・」

『人騒がせな連中と小心者』:(5)「よお!なんか変わったことでもあったかい?・・・」「あらだんな、鱈がまた昨日より値上がりしてたわよ!・・・」「言わんこっちゃねえ、みんなで飢え死にする日も遠くねえな・・・」

『カリカチュラーナ』:(48)候補者「どんな人物を望んでいるのですか?・・・清廉で、誠実な男、まじめな男、工場主や金持ちになるために政府を必要としていない男、法律に通じている男、その経験から、法律をよく知っている男、長い経験から・・・法律についての長い経験・・・これ以上の選択肢はありません、どうか私の・・・私の尊敬すべき友人を選んでください」

1842年のサロン 自分の姿が展示されているのにうっとりとして、ご本人さまが奥さんを連れてサロンへやってきた。そうして自分の肖像のまえに奥さんを陣どらせ、観客が群がってなにやら批評しているのをきかせて喜ばそうとする。「みろよ」とだれかが言う「ありゃあ、中国人の長官のリンさんだぜ!」「ちがうよ」と他のだれか。「あれはさ、ほら『人類進化の過程』とかさ、なんかそういうもんじゃないの!」「それはだね・・・」とカタログを手にした紳士が話に加わる。「保険斡旋業者、D・・・氏の肖像ですと」「なるほどね、あんなしけた面さげてちゃ、自分のドタマにゃ保険はかけないって寸法だね、かっぱらってくれようってやつもいないだろうし」(氏の奥方さまはいたく喜んで帰りましたとさ)

1842年のサロン 自分の姿が展示されているのにうっとりとして、ご本人さまが奥さんを連れてサロンへやってきた。そうして自分の肖像のまえに奥さんを陣どらせ、観客が群がってなにやら批評しているのをきかせて喜ばそうとする。「みろよ」とだれかが言う「ありゃあ、中国人の長官のリンさんだぜ!」「ちがうよ」と他のだれか。「あれはさ、ほら『人類進化の過程』とかさ、なんかそういうもんじゃないの!」「それはだね・・・」とカタログを手にした紳士が話に加わる。「保険斡旋業者、D・・・氏の肖像ですと」「なるほどね、あんなしけた面さげてちゃ、自分のドタマにゃ保険はかけないって寸法だね、かっぱらってくれようってやつもいないだろうし」(氏の奥方さまはいたく喜んで帰りましたとさ)
最終更新日: 2021-03-27
登録日: 2022-03-17
